SLEモデルマウスであるMRL-lprマウスにおいて尿中RAGE排泄が増加し、尿細管障害マーカーである尿中NAG値と正相関する。RAGEをターゲットとした治療がループス腎炎に効果があるか検討するためRAGEに対するアンタゴニストであるRAGEアプタマーを作成し、8週間の持続投与を行った。その結果、血漿BUNの改善、血漿IgG値低下・血漿C3値増加と腎機能の改善とともにSLE病勢の抑制が認められた。組織学的には半月体形成・ワイヤーループ病変形成が抑制され、炎症性サイトカイン産生が有意に抑制されていた。以上よりRAGEをターゲットとした治療法がループス腎炎の新たな治療戦略になる可能性が示唆された。
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