研究課題
筋萎縮性側索硬化症(ALS)運動神経細胞死の原因の一つとして、運動神経の過剰興奮性が考えられている。これまで我々は、ALS運動神経では持続的Na電流の増加とK電流減少という2つの機構を介して興奮性が増大していること、更に皮質運動野でも興奮性が増大し、運動神経細胞死の一因となっている可能性を指摘してきた。特に、ALS運動神経のNa電流の増大が、運動神経細胞死と密接に関係している可能性を明らかにしてきた。本研究の目的は、将来の治験に向けてイオンチャネル修飾薬の中から中枢及び末梢運動神経興奮性を適切に調節できる薬剤を選定することである。本研究は、神経興奮性制御という新たな視点から、ALS新規治療の開発を目指したものである。本研究において、ALS患者を対象として、Naチャネル阻害薬であるラコサミドを用いた臨床試験を実施した。ラコサミドを100㎎/日から内服開始し、1週毎に100㎎増量、最終的に400㎎/日まで増量した。内服前後で、末梢神経軸索興奮性や線維束性収縮の回数等を測定し、ラコサミドが末梢神経興奮性にもたらす影響を検討した。実際に、7名のALS患者を対象としてこれを投与し、その効果を検討するに至った。ラコサミドが末梢神経興奮性に与える影響については、今後データ固定後に解析予定となっている。これらの結果より、ラコサミドのALS神経興奮抑制作用が明らかになるものと考えられる。このデータを基に、今後ALS進行抑制を検討するさらなる臨床試験へと発展していくことが予想される。
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