研究課題/領域番号 |
17K16116
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 亮一 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80723030)
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研究協力者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50402566)
熱田 直樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90547457)
藤内 玄規 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (00748353)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 高次脳機能障害 / 前頭側頭葉変性症 / 次世代シークエンサー / 網羅的解析 / ALS / FTD |
研究成果の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者は約半数に高次脳機能障害を認め、約10-15%は前頭側頭型認知症(FTD)の診断基準を満たし、ALS-FTDと診断されることが分かっている。ALS713例に対して次世代シークエンサーを用いて遺伝子解析を施行し、TBK1遺伝子変異を9例(1.26%)に認め、一部の症例はALS-FTDと診断されていた。また、3例にVCP遺伝子変異を認めた。3例中の2例は家族に封入体ミオパチーやFTDの患者を認め、残り1例は行動異常を伴い、ALS-FTDと診断されていた。これらの結果から、高次脳機能障害を伴うALSの遺伝的背景としてTBK1やVCP遺伝子変異の重要性が示唆された。
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自由記述の分野 |
神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、ALS患者の約50%に認知機能障害や遂行機能障害といった高次脳機能障害を認め、ALS患者の10-15%は前頭側頭型認知症(FTD)の診断基準を満たし、ALS-FTDに分類されることがわかっている。また、ALSとFTDは共通の病理基盤を持ち、連続した疾患スペクトラムと考えられている。高次脳機能障害に影響を与える遺伝子は臨床像に影響を与える遺伝子ならびに進行を規定する蛋白の解明につながり、症状の進行を規定する蛋白の解明はその蛋白の働きを阻害する薬剤の開発につながり、孤発性ALSの病態解明、治療薬開発に大きく道を開く可能性がある。
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