本研究では日本人筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者におけるTBK1遺伝子変異の頻度と特徴を解析した。患者において高頻度で変異を検出し、TBK1がALSの関連遺伝子であることが示唆された。今回検出した変異は培養細胞実験においてTBK1の正常な機能を阻害することがわかり、変異を持つ患者由来のリンパ球ではTBK1の発現低下が見られた。また球脊髄性筋萎縮症(SBMA)モデルにおいてTBK1の発現低下が見られ、この発現低下はSBMA治療薬の投与で改善した。以上の結果からTBK1は運動ニューロン疾患であるALSとSBMAの病態に大きく関わることが示唆され治療の標的となる可能性が示唆された。
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