研究課題/領域番号 |
17K16121
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 孝之 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (80536566)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | iPS細胞 / / 疾患モデリング / 三次元 / オルガノイド / 脳神経疾患 / 発生・分化 / 再生医学 / 老化 |
研究実績の概要 |
iPS細胞技術は、根本治療薬がない神経・精神疾患のin vitro創薬研究に応用され成果を上げつつ有る。in vitro系においても、細胞外の足場環境と細胞接着因子シグナルなど実験条件を、より生理的環境に近づけるために、3次元細胞培養の重要性が指摘されている。神経疾患研究においても、平面培養下における神経細胞のみを対象とするのではなく、様々な細胞が本来の位置情報を有している3次元モデルを導入することでより精緻な病態および創薬研究が出来ると考え、研究を進めた。 平成30年度は、ヒトiPS細胞から、前年度に構築したヒトiPS細胞から純粋な神経細胞集団を構築する技術を用いて(Kondo et al. Cell reports 2017)、スクリーニングプラットフォームに適応できる3次元神経組織の構築を目指した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スクリーニング系と相性が良い、安定化した神経系細胞の分化誘導系を用いて、3次元神経組織として再構築の方法を検討した。細胞外成分および足場としての細胞外マトリクスを調整することにより、前年度に構築した2次元培養系からZ軸方向に厚みをもつ立体構造の構築に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
3次元培養をした細胞集団を顕微鏡で観察する際に、3次元組織として評価するためにはZ軸方向の光学切片を重ね合わせ、非常に大きなデータ量となるXYZ方向の情報を統合し俯瞰・解析する必要がある。この点を効率的な画像取得と画像解析により克服し、3次元創薬プラットフォームの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
培養細胞のスケールを適切なレベルに最適化し、維持培養に関わる消耗品を最小限に抑えることで、コスト削減を行った。次年度からはスクリーニングプラットフォーム構築を行うために、細胞病態評価に多くのコストを必要とすることが予測されるため最終年度に予算を使用できるように調整したため。
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