研究課題/領域番号 |
17K16126
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中垣 岳大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80722917)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クロイツフェルトヤコブ病 / FK506 / 骨髄間葉系細胞 / オートファジー |
研究実績の概要 |
ヒトプリオン病で最も多い孤発性クロイツフェルトヤコブ病(sCJD)はプリオンタンパク(PrP)が構造変換をおこした異常型プリオンタンパク(PrPSc)が脳内に蓄積することでグリア細胞の活性化、神経細胞死が引き起こされる。数か月で急激に認知症が進行し、死に至る。これまで主にPrPScの蓄積を抑制する薬剤が開発、報告されてきたがいまだ治療法は確立されていない。我々は免疫抑制剤FK506がグリア細胞を抑制してsCJD患者由来のプリオン(sCJDプリオン)感染マウスの生存期間を延長することを報告した。その一方でFK506投与マウスでも最終的にはプリオン病の病態が進行して死に至るため、単剤での治療でsCJDの克服は難しいと考えられる。そこで我々はPrPScの蓄積を抑制する化合物、幹細胞による神経再生医療を組み合わせることでsCJDの克服を目指す。 1)PrPSc蓄積抑制剤の探索:PrP構造変換の阻害とPrPScの分解の両面から化合物のスクリーニングを行っている。今年度は主にPrPSc分解に関与するオートファジーを活性化する化合物の探索を行った。オートファジーは主にAKT-mammalian Target Of Rapamycin(mTOR)によって制御されており、この経路を阻害するものを中心に7化合物について細胞レベルでPrPScの蓄積を抑制する化合物を探索したところ、3化合物がPrPScを減少させることが分かった。 2)幹細胞による神経再生医療:細胞バンクから不死化ヒト骨髄間葉系細胞を購入し、MEM-alpha(FBS20%)で培養が可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨髄間葉系細胞(MSC)を様々な条件で培養し培養条件を決定した。PrPSc蓄積抑制剤(抗プリオン薬)に関して既知のもの、新規のものともにプリオン感染細胞での評価を終え、薬剤の選定を行った。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に選定した抗プリオン剤およびMSCをそれぞれ単独でプリオン感染マウスに投与して投与条件の検討と治療効果の評価を行う。その後、FK506とこれら2つの治療法を組み合わせてプリオン感染マウスにおける治療効果を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
化合物の追加購入が必要となったため。 追加購入した化合物はマウスに投与する予定である。
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