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2018 年度 実績報告書

膵α細胞におけるSirt1によるグルカゴン分泌制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16140
研究機関群馬大学

研究代表者

菊池 司  群馬大学, 生体調節研究所, 研究員 (40739009)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードグルカゴン / Sirt1
研究実績の概要

本研究は「α細胞においてSirt1はUCP2の発現抑制を介してグルカゴン分泌能を調節し、FoxA2およびFoxO1を介してα細胞の分化・増殖・新生とプログルカゴン遺伝子の転写を調節する」という仮説を検証し、糖尿病発症に伴うグルカゴン分泌異常の機序の解明を目指した。
膵α細胞特異的Sirt1欠損マウスではα細胞量の有意な増加を認めるが、空腹時、自由摂食時の血糖値および血中グルカゴン濃度は正常であった。糖負荷試験の結果もコントロールマウスと差が認められなかった。しかしながらインスリン負荷試験の結果、低血糖からの回復が遅延し、血中グルカゴン濃度はむしろ有意に減少し、α細胞量の増加と矛盾した結果を示した。そこでグルコースクランプ法を用いて低血糖を長期持続させたところ、低血糖誘導早期においてはSirt1欠損マウスで血中グルカゴン濃度が低下し内因性糖産生の抑制が見られ、後期においては血中グルカゴン濃度が上昇し内因性糖産生の促進が見られるという、早期と後期での逆転が見られた。また単離ラ氏島への低グルコース刺激実験では、野生型マウスで認められる刺激直後のグルカゴン分泌の亢進がSirt1欠損マウスでは見られなかった。
一方Sirt1過剰発現マウスではα細胞量の減少が見られ、Sirt1欠損マウスの結果と合致していた。またα細胞培養株へのSirt1阻害薬の添加実験では、グルカゴン分泌の低下とUCP2発現の増加が見られた。
以上のことから、Sirt1はα細胞において細胞の分化・増殖を抑制する一方、UCP2の発現抑制を介してグルカゴン分泌を促進している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 膵α細胞におけるSirt1の機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      菊池司
    • 学会等名
      第61回日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] 膵α細胞におけるSirt1によるグルカゴン分泌制御2018

    • 著者名/発表者名
      菊池司
    • 学会等名
      第91回日本内分泌学会学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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