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2018 年度 実績報告書

肥満時の細胞内代謝によってマクロファージが肝がん促進性へと変化する機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16143
研究機関富山大学

研究代表者

瀧川 章子  富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 特命助教 (80647454)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードマクロファージ / 肝がん / HIF-1α
研究実績の概要

肥満時にHIF-1αの活性化に関与する代謝物を同定するため、肝臓マクロファージ内の代謝産物を解析した。肥満マウス、非肥満マウス、肥満HIF-1α欠損マウスより、肝臓マクロファージを磁気ビーズ法により分離し、メタボローム解析を行なった。肥満マウスと肥満HIF-1α欠損マウスの肝臓マクロファージではsuccinateに違いを認めなかった。またクエン酸回路の他の代謝物も同様にHIF-1αとの関連を確認できなかった。肝臓マクロファージの分離に時間を要するため、調製中に細胞内の代謝が変化した可能性がある。
肝臓組織では、増殖因子であるERK2の活性化(リン酸化)がHIF-1α欠損により減少した。しかし、肝組織におけるEGFやPDGF、VEGFといった増殖因子は差を認めなかった。肝臓マクロファージにおける炎症関連遺伝子の発現は、肥満マウスでは非肥満マウスに比べ増加し、肥満HIF-1α欠損マウスでは肥満マウスに比べ発現が低下していた。マクロファージHIF-1α欠損による炎症反応の軽減が、肝がん減少の一因と考えられる。一方、HIF-1αの安定化に低酸素が重要であることは広く知られているが、過去の自験から肥満マウスの肝臓および肝腫瘍では低酸素となっている細胞は一部に限られており低酸素によるHIF-1αへの影響は今回のモデルでは小さいと考えられる。
今回の研究では、低酸素以外の何らかの因子が肥満時に肝臓マクロファージのHIF-1αを活性化し肝がん発症の促進に関与すると示唆された。HIF-1αを活性化させる機序の同定には至らず、今後の課題である。
これらの結果はJ Diabetes Investig. 2019 Mar 21. doi: 10.1111/jdi.13047.に掲載された。

備考

上記Webページの更新時に論文の掲載雑誌について情報を公開予定

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Macrophage‐specific hypoxia‐inducible factor‐1α deletion suppresses the development of liver tumors in high‐fat diet‐fed obese and diabetic mice2019

    • 著者名/発表者名
      Takikawa Akiko、Usui Isao、Fujisaka Shiho、Tsuneyama Koichi、Okabe Keisuke、Nakagawa Takashi、Nawaz Allah、Kado Tomonobu、Jojima Teruo、Aso Yoshimasa、Hayakawa Yoshihiro、Yagi Kunikimi、Tobe Kazuyuki
    • 雑誌名

      Journal of Diabetes Investigation

      巻: - ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1111/jdi.13047

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [備考] 富山大学医学部第一内科 糖尿病・代謝・内分泌 研究紹介

    • URL

      http://www.med.u-toyama.ac.jp/medicin1/kenkyu/tounyo.html

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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