研究課題
ナルディライジン(NRDC)欠損マウスの解析により、NRDCが耐糖能、インスリン感受性、炎症などに深く関わることが明らかになってきている。一方、NRDCの発現は特定の臓器に限局しておらず、どの臓器のNRDCがこれらの生命現象に関与しているか、どの程度関与しているか、については不明であった。本研究は、主に臓器特異的NRDC欠損マウスを用いた解析を進めることで、エネルギー代謝における新規臓器連関を解明することを目指す。現在までの解析により、以下のことが明らかになった。(1)肝臓特異的NRDC欠損マウスの解析を行ったところ、耐糖能やインスリン感受性、個体レベルのエネルギー消費が亢進していることがわかった。さらに解析を進めたところ、肝臓特異的にNRDCを欠損させたマウスであるにも関わらず、肝臓以外の臓器を介してこのような表現型を示していることが示唆された。そのため、肝臓のNRDCがどのような経路を介して他臓器を制御しているかについて解析を進めた。(2)脂肪細胞特異的NRDC欠損マウスにインスリン負荷試験を行ったところ、負荷後の血糖値が対照群に比べて有意に低値であった。また、高脂肪高ショ糖食を負荷した脂肪細胞特異的NRDC欠損マウスでは、白色脂肪への炎症細胞浸潤が軽減していた。一方、マクロファージ特異的NRDC欠損マウスは関節炎モデルにおいて炎症の軽減を示した。そのため、本研究のモデルにおいても何らかの表現型を示すことが期待されたが、インスリン感受性、白色脂肪への炎症細胞浸潤のいずれにおいても対照群との違いを認めなかった。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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