研究課題/領域番号 |
17K16150
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本屋 武 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50760013)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 肥満 / 脂肪肝 / PPARγ / ミトコンドリア |
研究成果の概要 |
我々はob/obマウスや高脂肪食負荷マウスの白色脂肪組織ではTrk-fused gene (TFG) の発現量が顕著に増加していることを見出した。そこで脂肪細胞TFGの肥満形成における役割を明らかにするため、タモキシフェン誘導性成熟脂肪細胞特異的TFG KOマウス (AiTFG KO) を作製し、その表現型解析を行った。AiTFG KOは高脂肪食負荷に伴うadipose expansionの障害と脂肪肝の増悪を認め、耐糖能の悪化を認めた。その機序としてTFG欠失に伴う脂肪細胞におけるPPARγ発現低下とミトコンドリア数・機能の低下の関与が示唆された。
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自由記述の分野 |
糖尿病
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人は欧米人と比べ、軽度の肥満でも脂肪肝や耐糖能障害を呈することが知られている。過剰なエネルギー摂取に応答して脂肪組織が適切に肥大化することは異所性脂肪蓄積、それに伴うインスリン抵抗性の増大を防ぐために重要であり、脂肪組織TFGの発現増加がその一端を担っている可能性が本研究により示唆された。筋肉や肝臓など他の代謝標的臓器におけるTFGの機能について今後の検討が必要であるが、少なくともTFG発現を脂肪組織特異的に誘導することで、過剰エネルギーの脂肪組織への蓄積が促進され、脂肪肝の改善やインスリン抵抗性の改善が期待でき、糖尿病・脂肪肝の治療ターゲットとなる可能性が示された。
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