高血糖及び小胞体ストレス下におけるメトホルミンの膵β細胞保護作用を検討した。インスリン抵抗性が惹起されない短期間高脂肪食負荷マウスでみられる膵β細胞の代償性増殖は、メトホルミン投与により膵β細胞増殖が抑制された。また、マウス単離膵島において、グルコース誘導性の膵β細胞増殖を抑制、高脂肪食および高血糖下において、AMPKリン酸化を亢進し、mTORシグナルを抑制した。メトホルミンは、小胞体ストレス誘導性の膵β細胞アポトーシスを抑制し、その機序とし、4EBP1を介し、翻訳開始を抑制する可能性が考えられた。メトホルミンは、インスリン抵抗性とは独立して、膵β細胞に保護的に作用している可能性が示唆された。
|