性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は肝臓から血中へ放出される蛋白であるが、低SHBG濃度は、糖尿病やメタボリックシンドロームのリスク上昇と関連する。本研究では、その機序を究明するべく、SHBGの生理活性について主にin vitroで検証した。SHBG蛋白の添加は、脂肪細胞とマクロファージにおける炎症性サイトカインの発現を抑制するとともに、脂肪細胞の脂肪分解を誘導した。かかる作用は、性ホルモンの同時添加の有無によらず発揮される傾向があったが、わずかな修飾も見られた。SHBGによる抗炎症作用、脂肪分解促進作用は、SHBGがメタボリックシンドロームの発症を抑制する機序の一つである可能性がある。
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