後天性のfibroblast growth factor 23 (FGF23)関連低リン血症性疾患である腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象とし、骨以外の間葉系腫瘍からFGF23が産生される機序を検討した。耳下腺に発生したFGF23産生腫瘍を用いてRNAシークエンスを行い、腫瘍におけるKlothoの発現上昇を確認した。また腫瘍組織において、Klotho/FGFR1c下流のシグナルであるMAPK経路の活性化を確認した。TIOの原因腫瘍において、分泌されたFGF23が腫瘍のKlotho/FGFR1cに作用しFGF23産生を促進するというポジティブ・フィードバック機構が存在することが示唆された。
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