研究課題
サルコペニア、フレイルは高齢者のみならず、肥満・糖尿病を代表とする生活習慣病患者でも高頻度に見られ、転倒、骨折、入院、心血管イベントの危険因子であり、その病態解明は生活習慣病患者において最も重要な臨床課題の一つとなっている。申請者は、これまでにレプチン・BDNFと自律神経機能との関連を明らかにしてきており、レプチン・BDNFがサルコペニア、フレイルの発症に寄与するとう仮説を立て検証を行っている。現在までに、生活習慣病、特に糖尿病を有する患者の臨床的基本情報(年齢、性別、閉経年齢(女性)、喫煙状況、肥満度、脂質プロファイル、高血圧、糖代謝関連、腎機能障害など)、サルコペニア、フレイル状況について180名程度のデータベースの構築が終了した。糖尿病患者において、レプチン濃度が超音波法を用いた皮質骨厚と関連することを見出し、その成果[Inverse association of plasma leptin with cortical thickness at distal radius determined with a quantitative ultrasound device in patients with type 2 diabetes mellitus]がJ Diabetes Investig. 2020 Jan;11(1):174-183に掲載された。BDNFに関しては上記の指標との関連は見出すことはできなかった。生活習慣病患者におけるレプチン・BDNFのサルコペニア、フレイルの意義を、さらに明らかにするうえで、健康診断受診者のデータベースを用いることとし、既にデータベースの構築が開始されている。これらのデータベースでは、内臓脂肪蓄積度、骨代謝状況を重点的に評価することを予定しており、サルコペニア肥満とレプチン・BDNFとの関連が明らかにすることが出来る予定である。
2: おおむね順調に進展している
今回の研究成果がJ Diabetes Investigに掲載されたので
サルコペニア・フレイル状況のデータベース構築をさらに、すすめていく予定である。
おおむね予定どうり執行することができた
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J Diabetes Investig
巻: 11 ページ: 174-183
10.1111