研究課題/領域番号 |
17K16186
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西脇 聡史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80753037)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 / BCR切断点 / BCR-ABL融合遺伝子 / 血球系統 |
研究成果の概要 |
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)のうち、白血病芽球以外の血球系統でBCR-ABL融合遺伝子発現がある多系統Ph発現(Multi-Ph)を59人中21人(36%)で認めた。Multi-Phでは、BCR-ABL融合遺伝子発現が多能性前駆細胞レベルで検出された。Multi-Phはmajor BCRに有意に多い結果ではあったが、完全には一致していなかった。IKZF1の欠失の解析ではMulti-Phに特徴的パターンは同定されなかった。一方、Multi-Phは無イベント生存と全生存に対する予後良好因子であることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)においてBCR-ABL融合遺伝子が白血病芽球以外に発現している例が3分の1以上と一定の割合であることを示した。さらに、発現系統の違いが治療成績とも関連があり、BCR-ABL融合遺伝子が白血病芽球以外に発現していることが予後良好と関連することを示した。このことは、Ph+ALLにおける新たな予後因子としてBCR-ABL融合遺伝子の発現血球系統の違いが有用であることを示唆している。さらに背景にあると思われる遺伝子異常等の違いを明らかにすることでPh+ALLの層別化につながると考えられる。
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