研究課題
若手研究(B)
原発性滲出性リンパ腫で抑制されていたPU.1、PAX5の発現を回復させたところ、試験管内およびマウスモデルの系で、リンパ腫細胞の増殖抑制作用を有することが明らかとなった。網羅的な遺伝子解析を行ったところ、PU.1は細胞死に関わる遺伝子を活性化し、PAX5は細胞周期に関わる遺伝子を抑制していた。以上より、B細胞転写因子のうち、PU.1、PAX5が、がん抑制遺伝子として機能しうるとともに、これらの遺伝子を活性化させることが原発性滲出性リンパ腫の新たな治療戦略として考えられることが明らかとなった。
血液内科学
B細胞転写因子の低下が原発性滲出性リンパ腫の発がん及びウイルス潜伏につながることを明らかにできると考える。本研究によって明らかにされたB細胞転写因子の標的遺伝子は今後の薬物療法の標的となりうる。さらに、ウイルス潜伏による発がんメカニズムを解明することによって、血液内科学に留まらず、ウイルス学、薬理学、予防医学等、基礎医学から臨床医学へと様々な研究分野への学術水準の向上、疾患発症機構の理解につながることが期待できる。