典型的な体細胞変異が見いだされない本態性血小板血症(ET)患者は、非典型的なMPLの変異を有する集団と、変異が見いだされない集団に分類された。このうち後者の患者は若年女性が多く、血栓症や二次性線維化リスクが低かった。また患者血液細胞は、ポリクローナルな造血を呈したが、幹細胞には自律性の巨核球コロニー形成能が見いだされた。一方でMPLの野生型遺伝子をBa/F3細胞に発現させ、サイトカイン非存在下で数週間培養すると、リガンド非依存性に細胞増殖し、MPL下流のシグナル伝達経路の恒常的な活性化が生じることが明らかとなり、未知のMPL活性化機構が存在すること、これによりETが発症する可能性が示された。
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