研究課題
造血幹前駆細胞におけるCD25の割合は初発時には血小板数と貧血に正の相関を示した。またSokalスコアHighの集団ではCD25の割合が有意に高値を示した。続いて病勢との相関として骨髄中のBCR-ABL1のコピー数と造血幹前駆細胞分画におけるCD25陽性細胞の割合を比較したところ正の相関を示し、加えてTKI加療後には著明にその割合は減少していた。これらの結果はCD25陽性CML幹細胞は治療前には特異的な分化・増殖能を示す集団であるが、TKIへの感受性を示し、治療後には消失する分画である事を示した。しかし治療後にも極少数のCD25+CD34+CD38-細胞が存在する事から、患者特異的プライマーを用いてdidital-PCRで評価したところ、BCR-ABL陽性細胞は検出されなかった。以上より、CD25陽性CML幹細胞はTKI治療で消失し、初発時にCML細胞に特異的に発現している表面マーカー全てが治療後の微小残存病変検出に使用できる訳ではない事を示した。
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