研究実績の概要 |
(1)ステロイド抵抗性、好中球性気道炎症モデルについての解析:既存の報告をもとに、OVA/CFAによる抗原の経皮感作や、OVA吸入による気道炎症誘発について検証し、解析の対象とする好中球性気道炎症モデルの確認を行った上で、感作回数や吸入の回数を何通りか変更して、好中球性気道炎症の程度の変化を検証した。OVA吸入後の気管支肺胞洗浄液(BALF)を回収して、好中球性気道炎症の程度を比較し、複数のプロトコールの中から有望なものへと絞り込んでいる。しかしながら、同一群内の個体間のばらつきが大きく解析上の障害となっているため、来年度は追試を行い、プロトコールを改善する。 (2)上記モデルにおける、アレンドロン酸(ALN)の投与方法の検証:上記の好中球性気道炎症モデルに対して、ALNの経口投与のタイミングや回数を変更し、好中球性気道炎症に対する効果を検証する最適なプロトコールを絞り込んでいる。上記(1)でも問題となった、ALN非投与群(ポジティブコントロール群)と同様にALN投与群でも、BALFの好中球数について、同一群内での個体間のばらつきが多くみられることがあるため、来年度は追試を行い、プロトコールを改善する。 (3)上記モデルにおける、コントロール群とALN投与群との、サイトカイン等の発現プロファイルの比較:肺ホモジネートやBALF中の、Th1系, Th2系, Th17系, 自然免疫系など、様々な系統のサイトカインについてELISAで濃度の計測を行った。BALF中の好中球数の結果と同様に、同一群内での個体間のばらつきが大きく、再現性をもって有意な差異を検出できていない。来年度は追試を行い、再現性を確認する。
|