研究課題
樹状細胞(DCs)は、自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応、アレルギー疾患などの発症制御に大きく関わっており自己免疫性T細胞を標的とした免疫寛容を導くDCsを用いた抗原特異的な治療が注目されており、我々は研究を進めている。以前我々はヒトの未熟樹状細胞の成熟過程において、Cキナーゼ阻害剤(PKCI)を用いて、炎症環境下でも安定性のある強い免疫寛容能を持つ免疫寛容樹状細胞(tDCs)が誘導出来ることを報告した。続いて、PKCI-tDCsと他のtDCsを誘導する物質の比較により、PKCI-tDCsが臨床応用可能なtDCsとして優れていることを示し報告をした。さらなる臨床応用に向けて、関節リウマチとシェーグレン症候群の患者検体から、PKCIを用いてtDCsが誘導できるかを確認した。結果、関節リウマチ9例、シェーグレン症候群10例の患者すべてからPKCI-tDCsを誘導することが出来た。また上記結果を適宜、学会にて発表した。
2: おおむね順調に進展している
関節リウマチ患者、シェーグレン症候群患者の検体を増やし、合計19例の検体でPKCI-tDCsの誘導が確認できた。シェーグレン症候群の患者においてT細胞エピトープの同定をすすめている。
引き続いてシェーグレン症候群患者においてM3RT細胞エピトープの解析を進め、ヒト抗原特異的制御性T細胞の誘導を目指す。また、顕微鏡的多発血管炎の患者においてもMPO-ANCAのT細胞エピトープの解析を進めていく。
(理由)引き続いて、シェーグレン患者のM3Rエピトープの解析を継続していき、顕微鏡的多発血管炎の患者についてもT細胞エピトープの解析をすすめていく予定であり、解析をすすめていくため一部の研究費を次年度に繰り越す(使用計画)次年度も引き続いて、研究計画書に沿って、研究を遂行していく予定である、繰り越した研究費は試薬や培養に充当予定
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in Immunology
巻: 26 ページ: article 350
10.3389/fimmu.2018.00350.
アレルギーの臨床
巻: 37(13) ページ: 49-54