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2019 年度 実績報告書

定量プロテオミクスによるANCA関連血管炎の活動性/臓器障害マーカーの同定と解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K16209
研究機関愛媛大学

研究代表者

石崎 淳  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師(病院教員) (00620527)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードANCA関連血管炎 / バイオマーカー
研究実績の概要

我々は質量分析による選択的反応モニタリング法を用いた血清プロテオーム解析により、ANCA関連血管炎(AAV)の新たな疾患活動性マーカーとして8種類の活動性マーカー候補を同定し、その中で、治療前および治療6ヶ月後の疾患活動性をCRPやMPO-ANVAよりも鋭敏に反映する優れた活動性マーカーとしてTissue Inhibitor Of Metalloproteinase 1(TIMP-1)を見出した。また腎障害(腎予後予測)マーカーとしてCD93、Transketolase(TKT)を見出した。AAV患者の血管炎部位(皮膚、胃、腎)の生検組織を用いて免疫染色を行い、新規バイオマーカーの産生細胞を解析した。AAV患者の皮膚、胃粘膜および腎の血管炎部位では、TIMP-1はS100陽性間葉系細胞から強く発現されており、CD3、CD19, CD68またはCD31陽性細胞からの発現はほとんど認められなかった。一方で、CD93はCD31陽性の血管内皮細胞から高発現されており、CD3、CD19またはCD68陽性細胞からの発現はほとんど認められなかった。腎病変においてもCD93は係蹄壁に沿いにCD31陽性の内皮細胞から強く発現されていた。さらに、マーカータンパク質によるマクロファージのサイトカイン・ケモカイン放出作用を解析した。小麦胚芽無細胞タンパク質合成法で作成した可溶性CD93(200ng/mL、1μg/mL、3μg/mL)は、濃度依存的にマクロファージからのTNF-α、IL-6、IL-8産生を亢進させた。CD93は単球や血管内皮細胞に発現する膜タンパク質で、炎症刺激で発現が増強し一部が切断され可溶型となり、マクロファージのTNF-α、IL-6、IL-8産生を亢進させることでAAVの炎症ループを形成することが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 血管炎症候群2020

    • 著者名/発表者名
      石﨑淳、長谷川均
    • 雑誌名

      リウマチ科

      巻: 63 ページ: 28-36

  • [雑誌論文] ANCA関連血管炎のプロテオミクス2020

    • 著者名/発表者名
      武森信暁、石﨑淳、長谷川均
    • 雑誌名

      炎症と免疫

      巻: 28 ページ: 3-8

  • [学会発表] ANCA関連血管炎の寛解導入および寛解維持期における疾患活動性マーカーとしての血清TIMP1値の有用性の検討2019

    • 著者名/発表者名
      石﨑淳、松本卓也、末盛浩一郎、竹中克斗、長谷川均
    • 学会等名
      第63回日本リウマチ学会・学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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