研究課題
乾燥症状を主訴に受診され,シェーグレン症候群(SS)の確定診断目的で口唇小唾液腺生検を実施した2症例から細胞培養の検体を得た.唾液腺生検を単離し,過去の研究でSSの病態との関与が考えられたToll like receptor(TLR) 3のリガンドであるPoly I:C (Horai Y, et al. Mod Rheumatol 2016; 26: 99-104 )での刺激培養,また無刺激での培養をそれぞれ行った.Poly I:C刺激,無刺激の培養細胞細胞からそれぞれRNAを抽出し,cDNAへの逆転写を行った.TLR3刺激後に発現が変化するlong non coding RNA(lncRNA)のスクリーニングのため83種類のプライマーを96ウェルプレートに搭載したアレイキットを用いて定量PCRを行ったところ,lincRNA-VLDLR及びNRONが2症例いずれにおいてもPoly I:C24時間刺激後の発現亢進を認めており,これらのlncRNAがSS病態へ関与していることが考えられた.なお上記2症例は診断基準からいずれもSSの診断がなされており,SSの病態との関与を考察するうえでは非SSの小唾液腺を用いた解析も重要であるが,口唇小唾液腺生検は乾燥症状を有する症例に施行するため非SSの小唾液腺を得ることは比較的困難である.解析に十分な口唇小唾液腺の症例数をSS・非SSいずれにおいても確保するために,培養細胞の他にパラフィン切片からもRNAを得るため抽出キットを入手し、そこから得られたRNAを用いて今後SSと非SS間の相違について比較検討を進めていく予定である.
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に記した実施計画に沿って研究を行い,SS病態に関与していると考えられるlncRNAが上記研究により見出されたため.
当初の実施計画に沿って進めていく予定であるが、口唇小唾液腺組織の確保が課題であり,上記 研究実績の概要に記した通りパラフィン切片からのRNA抽出も行い解析を進めていく予定である.
物品購入費用, 学会出張費等が当初の見込みより少なかったため、次年度以降に使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (1件)
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