研究課題/領域番号 |
17K16210
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
寶來 吉朗 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 自己免疫研究室長 (30646782)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シェーグレン症候群 / long non-coding RNA / NRON / NFATc1 / PIM-1 |
研究実績の概要 |
前年度に実施した解析において見出されたシェーグレン症候群(SS)小唾液腺におけるnoncodingRNA repressor of NFAT (NRON)及びNFATc1の発現亢進に関連し,画像処理での浸潤細胞面積及びこれに含まれるNFATc1陽性細胞面積の算出を行い,浸潤細胞面積,NFATc1陽性細胞面積/浸潤細胞面積とフォーカススコア (FS),血清イムノグロブリンG (IgG)やEULARシェーグレン症候群疾患活動性指数 (ESSDAI)との相関について解析を行った.解析の結果浸潤細胞面積とNFATc1陽性細胞面積/浸潤細胞面積,FSとNFATc1陽性細胞面積/浸潤細胞面積との間にそれぞれ正の相関を認め,浸潤細胞面積及び浸潤細胞巣数がNRON-NFATc1活性化機構に関与していることが示唆された.一方で血清IgGとNFATc1陽性細胞面積/浸潤細胞面積,FSと血清IgG,ESSDAIと血清IgGとの間には,今年度の解析では有意な相関は見出されなかった. また,SS小唾液腺組織におけるCD3の免疫染色を行い,NFATc1/CD3共陽性像を浸潤細胞巣で認めるものの導管では殆ど認めず,浸潤細胞が導管炎を起こしている可能性は否定的と考えられた.加えて,NFATの細胞内局在を制御するセリン/スレオニンキナーゼであるProviral integration site for Moloney murine leukemia virus (PIM)-1の発現を免疫染色で解析したところ,NFATc1とPIM-1の細胞質における共陽性像を浸潤細胞と導管で認めており,NRON存在化ではPIM-1のNFATc1活性化が抑制される可能性が考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究で見出されたSSにおけるNRON-NFATc1の活性化機構について上記の通り解析を進めることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
浸潤細胞面積,NFATc1陽性細胞面積/浸潤細胞面積,FS,血清IgG及びESSDAIの関連についての現時点での結果に関しては症例数が十分でない可能性が考えられるため,より多数の症例の解析を行い再解析することを予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入費用が見込みより少なく,また発表を予定していた学会・研究会の中止のため出張費の支出が減少したため,次年度以降に使用する予定である。
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