①関節リウマチ患者線維芽細胞様滑膜細胞におけるPK2の発現の検討:関節リウマチ患者より採取した滑膜より誘導した線維芽細胞様滑膜細胞(FLS)をTNFα、IL-6、可溶性IL-6受容体、PK2、TGFβで刺激しPK2、PKR1、PKR2mRNAの変化をreal-time PCR法にて検討した。その結果、TGFβの刺激によりPK2mRNAの発現がコントロール群と比較し11.57±3.180倍亢進していた。一方、PKR1、PKR2mRNAの発現の亢進は認めなかった。 ②マウス樹状細胞のPK-PKR系の発現の検討:正常マウス骨髄より樹状細胞を誘導しIL-1b、TNFα、ILー6、TGFβ、IFNγ、LPSで刺激した。そして、PK2、PKR1、PKR2mRNAの発現を検討した。その結果、LPS刺激によりマウス樹状細胞におけるPK2、PKR2mRNAの発現が亢進することが明らかになった。 ③マウス樹状細胞におけるPK2による走化性の検討:正常マウス骨髄より樹状細胞を誘導しPK2による走化性の変化を検討した。その結果、PK2刺激により樹状細胞の走化性が亢進することを見いだした。 以上より関節リウマチ患者においてFLSがPK2のsourceとなっている可能性が示唆された。また、樹状細胞の走化性がPK2により亢進したことよりPK2が樹状細胞における抗原の補足の促進に関与する可能性が示唆された。また、自然免疫系の活性化により樹状細胞のPK2、PKR2が亢進することが明らかとなった。
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