慢性腎臓病症例に対するDAA治療効果は非常に高く、治療薬に関わらず、ほぼ全症例でSVR(HCV持続陰性化)が達成された。しかしながら、DAA再治療例およびNS5A薬剤耐性変異を有する症例で、HCV再燃を認めた症例も僅かに存在した。治療中の有害事象として、極僅かに腎機能低下が認められたが、重篤な有害事象は殆ど認められなかった。血清エンドスタチン値およびeGFR値の経時的な改善は認められなかったが、血清補体価の有意な改善が認められた。治療終了後短期の腎機能改善は認められなかったが、血清補体価の上昇から将来的な腎機能改善の可能性が示唆された。
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