本研究は、ワンヘルスアプローチに基づき、ヒト(市中、院内、畜産農家)と家畜(牛・豚)における薬剤耐性グラム陰性桿菌の分布状況とその関連性を明らかにし、薬剤耐性菌の制御と蔓延防止策を構築することを目的とした。それぞれの分野から第3世代セファロスポリン系薬耐性菌とコリスチン耐性菌を分離した。前者は共通の耐性遺伝子としてCTX-M β-ラクタマーゼを、後者はmcr-1を保有し、プラスミド上にコードされていた。しかし、菌株のゲノム型やプラスミド型などの特徴が各分野で大きく異なっていたため、分野間での耐性菌の関連性は認められなかった。また畜産農家と家畜間で特徴が同じ株が分離され一部関連が認められた。
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