研究実績の概要 |
平成30年度中に、宮城県立こども病院・八戸市立市民病院から2例の典型的なHPE症例、東北大学病院からBinderoid complete cleft lip/plateとその疑い例 17例を同定した。その中のHPE症例2例(ALOBAR型1例、SEMILOBAR型1例)、Binderoid complete cleft lip/plate症例1例において、患者もしくは家族よりインフォームドコンセ ントを取得し、患者本人、および両親から採血を実施した。 3症例に対してG-bandingを行い、いずれも正常核型であることを確認した。続いて、既知の遺伝子変異の同定、及びHPEの発症に関わる主要なpathwayに含まれる遺伝子の変異を同定するため、Targeted NGS panelを実施した。アメリカ国立衛生研究所のDr. Maximilian Muenkeの研究室で先行研究が進行中であり、そこで使用されているTargeted NGS panelを参考に148の候補遺伝子のエクソン領域、およびECRbrowserを用いて同定した非コーディング領域のevolutionarily conseved reigion (脊椎動物において種を超えて保存されている領域)を解析領域とした。 以上を含めた全975,605bp対象領域とし、Hiseq2000を用いてシークエンスした。現在、得られたデータの解析中であり、reference sequence (hg19)にマッピングし、genotypingを行っている。今後はアノテーション(non-synonymous SNV, missense, frame-shift など)をつけ、その変異が引き起こすであろうアミノ酸置換、またはフレームシフトが、タンパク質の機能にどのような影響を及ぼすかをスコア化し、HPEとの関連を評価する予定である。
|