研究課題
若手研究(B)
本研究では、原因不明の新生児乳児期発症の胆汁うっ滞症に対して次世代シークエンサーで網羅的遺伝子解析を実施し、既知の疾患関連遺伝子を対象とした解析では診断が困難な症例を見出した。エクソーム解析や肝組織を用いたトランスクリプトーム解析やメチローム解析など網羅的な探索法による更なる解析へと繋げていく基礎データを得た。また、一部の進行性家族性肝内胆汁うっ滞症で見出された遺伝子変異について、分子機能解析を行い、試験管内での病態評価や治験薬の薬効評価解析を実施した。
小児科学
新生児乳児期発症の原因不明胆汁うっ滞症の中には未だ疾患と関連する遺伝子異常が同定されず、今後新規疾患概念の確立に寄与できる集団が含まれていることが明らかになった。今後の胆汁うっ滞病態の分子機序を考察するうえで重要な基礎データが得られた。今後は未診断患者の一群から新規疾患の発見が期待できる。また、日本で最も多く検出されたABCB11変異について、分子機能解析を実施し、病態と新規薬剤の薬効評価を行い、将来の分子機序を基礎とした治療応用への展開も期待される結果が得られた。