研究課題/領域番号 |
17K16245
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
笹井 英雄 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20509781)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | HSD10病 / 先天代謝異常症 / ケトン体 |
研究実績の概要 |
本研究ではHSD10タンパクの発現実験系を確立し、すでに同定している変異を導入したHSD10タンパクの酵素活性やタンパクの安定性をみることで、臨床像との比較を行う。また、RNasePを構成する残りの2つのタンパク(MRPP1、MRPP3)も発現・精製し、HSD10タンパクとの相互作用を明らかにすることでHSD10病の病態を明らかにする。 昨年度は、HSD10病の病態解析のため、まずHSD10タンパクの発現実験系を確立することを試みた。以下の仮説をたて、これらのwild-typeと病的変異(重症例と軽症例)での差異をみることで病態に迫ることができると考えている。 1) イソロイシン代謝系の2M3HBDとしての活性低下が問題となっているのか。 2) ミトコンドリア内コレステロール代謝系の17β-hydroxy steroid dehydrogenase type10としての活性低下が問題となっているのか。 3) RNasePの機能低下が問題となっているのか。 (特に、RNasePのなかでHSD10タンパクに変異があると、他のコンポーネントとcomplexがつくりにくくなり、そのためRNasePの機能低下が問題となる可能性がないか。)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度はHSD10病のタンパク発現実験系の確立を試み、pET28aを用いた大腸菌によるタンパク発現系に関して構築することに成功した。大腸菌による精製タンパクを用いて、イソロイシン代謝系における酵素活性測定を実施し、wild-typeと病的変異(重症例と軽症例)との差異を解析することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、大腸菌によるHSD10の精製タンパクを用いて、ミトコンドリア内コレステロール代謝系の17β-hydroxy steroid dehydrogenase type10としての活性測定やRNasePの機能測定を試み、wild-typeと病的変異(重症例と軽症例)との差異を解析していくことを予定している。また、RNasePを構成する残りの2つのタンパク(MRPP1、MRPP3)も発現・精製までは完了しており、HSD10タンパクとの相互作用を明らかにすることでHSD10病の病態を明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度に消耗品費として使用する。
|