Pompe病(糖原病II型)は、ライソゾーム酵素の一つである酸性α-グルコシダーゼの先天的欠損により、筋肉(特に骨格筋)、肝臓、心臓にグリコーゲンが蓄積する遺伝性疾患である。本研究では、重症型である乳児型Pompe病患者3人および健常対象者3人のiPS細胞(iPSC)を作成し、それぞれを骨格筋細胞と肝臓細胞に分化誘導し、病態解析を行った。骨格筋と肝臓という2組織において、患者iPSC由来の細胞ではライソゾーム内のグリコーゲン蓄積を認めた。以上から、乳児病Pompe病患者由来のiPS細胞を用いて、薬剤スクリーニングや病態解析に有用な複数臓器モデルの確立に成功した。
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