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2017 年度 実施状況報告書

福山型先天性筋ジストロフィーの重症化因子の探索と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K16263
研究機関神戸大学

研究代表者

長坂 美和子  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70723998)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード筋ジストロフィー / スプライシング異常 / 糖鎖異常
研究実績の概要

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は重度の筋ジストロフィーに脳の形成異常や眼奇形を伴う本邦特有の小児の希少難病である。患者はほぼ一生歩行を獲得せず、重度の知的障害を合併する。一方この挿入変異ホモ型の患者には、わずかに歩行が可能な例や、会話が可能な軽症例が存在し、その表現型は患者間で大きな差があるがその理由は未解明である。本研究の目的はこの表現型の差を引き起こす因子を解明・同定し、新規治療法を開発することである。疾患特異的iPS細胞などの細胞系を用い、スプライシング活性や糖鎖・糖転移活性を検討する。また患者フクチン遺伝子をエピジェネティックに調節する因子の有無を、メチル化解析やヒストン修飾の検討より探索する。これらと運動機能評価やバイオマーカー等の客観的指標との相関を検討し、重症化に関与する病態解明を目指す。
本年度は複数の患者における挿入変異の配列及びハプロタイプを検討した。結果は重症度と配列・ハプロタイプの相関はみられなかった。スプライシング活性に関しては、軽症において正常フクチンの発現が高い傾向があり、正常フクチンの活性が病状に関与している可能性が示唆された。この結果は、軽症型においてαジストログリカンの糖鎖活性が高いこととも相関した。糖転移活性については、より良いアッセイ系の構築を検討中である。本研究より挿入変異の配列とスプライシング活性は関連が薄く、スプライシング活性については挿入変異配列以外の要因が関与している可能性が示唆され、来年度においてその詳細を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は複数の患者における挿入変異の配列及びハプロタイプを検討した。結果は重症度と配列・ハプロタイプの相関がないことや、スプライシング活性に関しては、軽症において正常フクチンの発現が高い傾向があり、正常フクチンの活性が病状に関与している可能性が示唆された、など本年度に必要な研究を終了できた。この結果は、軽症型においてαジストログリカンの糖鎖活性が高いこととも相関した。糖転移活性については、より良いアッセイ系の構築を検討中である。本研究より挿入変異の配列とスプライシング活性は関連が薄く、スプライシング活性については挿入変異配列以外の要因が関与している可能性が示唆され、来年度においてその詳細を検討する予定である。糖転移活性については、より良い解析方法を検討中であるが、それ以外に関してはおおむね順調に実験が進み、来年度の研究につながる結果が出た。

今後の研究の推進方策

来年度は計画通り、エピジェネティックな影響やバイオマーカーと臨床症状との相関をみて、治療法につながる因子を同定する予定である。現時点では、まだ重症化に関わる因子の同定は未解決であるが、プロモーター領域の検討などについて詳細に検討することで、新たな治療標的が同定される可能性がある。また、同定が不明な場合は、他の糖転移酵素との関連や、結合蛋白などに関しても視野を広めて広く重症化因子の同定を行ってゆきたい。

次年度使用額が生じた理由

物品費用が当初計画よりやや安価で終了した。次年度に抗体などの消耗品として使用する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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