研究課題/領域番号 |
17K16278
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
浜 武継 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00508020)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | TRIP13 / subcellular fraction / 多発性嚢胞腎 |
研究実績の概要 |
腎臓におけるTRIP13のタンパク発現レベルをウェスタンブロッティングと免疫染色で評価したが、結果が一致しない。そこで、ウェスタンブロッティングにおいては、腎組織の細胞質成分と核成分とに分けて採取し、検討することにした。染色においては、ホルマリン固定したパラフィン切片の染色だけでなく、凍結切片を用いた染色も行うことにした。 さらに、市販されているTRIP13の抗体を複数検討したり、TRIP13と関連する分子を同様に複数の系で検討することにした。 これらを踏まえ、多発性嚢胞腎モデルマウスと同齢対照マウスとでその発現を検討し直した。 その結果、日齢21のマウスの腎臓を細胞質成分と核成分に分ける技術は非常に難しく、確立できなかった。理由として、腎臓自体が小さいこと、細胞質成分が核成分に混在してしまうこと。それを防ぐために洗浄ステップを繰り返すと得られるタンパク濃度が低下してしまい、その後のウェスタンブロッティングに進めなくなってしまうこと、などが考えられた。また、市販されている抗体が主にヒトのTRIP13を想定している抗体が多く、マウス用の抗体がほとんど存在しなかった。そのため、抗体を販売しているメーカーに問い合わせ、マウスでの実験に使えるかどうか検討し直すことも要した。染色は、凍結切片を用いた蛍光染色では良い結果が得られなかったが、パラフィン切片を用いた染色では、抗原賦活の過程を見直すことで、安定した結果を得られるようになってきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンパク発現レベルが実験系により安定した結果が出ないという問題を抱えているが、実験の回数を重ねるごとに解決する可能性が高いと思われる。一方、これまでがん領域などで報告されているTRIP13の役割が、腎臓において我々が想像している役割と別の効果を示している可能性が高い。この差を検討する必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
TRIP13が、腎臓以外の組織でどのような役割を担うのか検討する価値がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
細胞実験がほとんど進んでいないため、その関連試薬などを購入していない。実験に使える抗体が複数あれば購入できるが、マウス用の抗体がほとんど生産されていない、などの問題も考えられる。
|