多発性嚢胞腎(PKD)は、常染色体優性遺伝型(ADPKD)と常染色体劣性遺伝型(ARPKD)とがある。ともに腎不全や高血圧、多くの合併症があり、その早期診断や治療の重要性が認識されている。PKDの研究には、GαおよびGタンパク受容体(GPCR)に注目したものが多く、トルバプタンなどGPCR受容体阻害薬がPKDの治療として開発されてきた。しかし、GタンパクはGαとGβγに分かれ、Gβγもシグナル伝達に関与することが分かっている。これまでのGPCRに依存しないGβγとGPCR非依存性のシグナル伝達の役割が判明すれば、PKDの新たな治療を開く可能性がある。
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