研究課題
I)ASD患者を対対象とした病因遺伝子解析aCGHを中心に解析を継続している。ASD患者約30例、知的障害等含め64例解析し、シナプスに関連する遺伝子等のCNVが検出されている。いくつかのCNV中の候補遺伝子について病因であることの確認のため候補遺伝子解析、家系解析を行っている。II) 概日リズム関連遺伝子のASDへの関与の解析これまでの研究成果よりASD群では睡眠障害の有無にかかわらず概日リズム異常をコントロール群と比べ有意に多く有していた(p=0.001)。概日リズム関連遺伝子の検出変異の神経細胞への影響について解析を進めている。Timelessの変異(p.F498S,p.A325T)を導入した神経細胞での変化を解析するために現在、Timelessをクローニング中である。Timelessのノックアウトマウスの行動解析については、明期、暗期での活動量の有意な差は認めなかったが、その他の行動解析についても継続している。III) 治療法開発:オキシトシンに関連する“物質A”の臨床試験については、研究デザイン(対象、投与期間、投与量等)を決定し、学内の倫理委員会の承認を得ることができた。試験開始に向けさらに準備中である。
2: おおむね順調に進展している
・aCGH解析を継続し、CNVを検出している。・Timeless変異神経細胞の解析のため、クローニング中である。・オキシトシンに関連する“物質A”の臨床試験については、学内の倫理委員会の承認を得て、臨床試験開始予定である。
Ⅰ)ASD患者を対対象とした病因遺伝子解析:aCGH解析を継続し、検出CNVの変異解析、機能解析を継続する。(II) 概日リズム関連遺伝子のASDへの関与の解析:クローニングに引き続き、概日リズム関連遺伝子のTimelessの変異を導入した神経細胞での変化を解析する。Timelessでの神経細胞での影響が分かれば、PER3など他の変異についても解析を行う。Timelessのノックアウトマウスの行動解析についても引き続き、解析を継続している。III) 治療法開発:オキシトシンに関連する“物質A”の臨床試験を開始する。
昨年度は勤務の関係で実験できる日が限られていた。また、試薬等も研究室の試薬やこれまでの残っていた試薬等を用いた。今年度は小児科から人類遺伝研究部に移ったため実験に打ち込める環境となり、残額が生じた研究費についても使用予定である。
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Brain and Development
巻: 40 ページ: 325-9
10.1016/j.braindev.2017.09.002
巻: ー ページ: -
10.1016/j.braindev.2018.03.002