本研究は小児脳腫瘍に対する免疫療法の奏効機序を明らかにしより効果的な治療法を確立することを目的としている。今回、樹状細胞療法を施行した難治性小児脳腫瘍症例を対象に分子免疫学的な解析を試みた。その結果、小児脳腫瘍の中でも上衣腫がWT1などの特定の腫瘍関連ペプチドが他の癌腫と異なった発現パターンを呈していることを見出した。また、本免疫療法が奏効している上衣腫症例を対象に全エクソン解析および全トランスクリプトーム解析にて腫瘍特異的な変異型蛋白リストを作成した。変異ペプチドとHLAとの結合能を予測し、ネオアンチゲンの候補となる分子を選定することが出来た。
|