尿素サイクル異常症患者の高アンモニア血症発作は飢餓が誘因となることが多い。そのしくみを明らかにし、それに基づく治療法を研究した。その結果、飢餓状態ではグルタミンというアミノ酸の分解(グルタミノリシス)が過剰になることが高アンモニア血症発作の原因となることを見出した。この結果に基づき、α-ケトグルタル(AKG)の誘導体であるジメチルα-ケトグルタル酸(DKG)という物質が過剰なグルタミノリシスを正常化させ、試験管内のみならず動物個体でもアンモニア値を下げることが分かった。これらからAKGまたはDKGなどその関連物質は高アンモニア血症の新たな治療薬となる可能性がある。
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