研究課題/領域番号 |
17K16287
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研究機関 | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
長島 隆一 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん先進治療開発研究部, 研究技師 (20783707)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アレルギー / ILC2 / 酸化ストレス / Keap1-Nrf2 |
研究実績の概要 |
小児アレルギー克服のため、本課題では酸化ストレス応答の鍵分子であるNrf2に着目し、2型自然リンパ球(ILC2)活性化におけるNrf2の貢献を解析するとともに、その臨床応用に取り組む。具体的には、①Nrf2がILC2を介してアレルギーを制御する病態の解析、②ILC2の機能発現におけるNrf2の果たす役割は何か?、③Nrf2はILC2の分化および可塑性を制御するか?、④Nrf2を活性化する抗アレルギー治療法の開発は可能か?の4点を検討する。これらのアプローチによりNrf2によるILC2制御に関する研究を展開し、アレルギーの新たな制御分子を解析する。小児アレルギー疾患の革新的治療に資する基盤となるデータ収集を目的とする。 本年度は以下の点を明らかにしてきた。(1)野生型およびNrf2欠損マウスの肺から分取したILC2は、Nrf2欠損マウス由来ILC2で有意に細胞増殖能が高いことがわかった。(2)さらにNrf2活性化剤を用いて、ILC2におけるNrf2を活性化すると、野生型でのみILC2数は著減した。このことから、Nrf2はILC2を負に制御していることが示唆された。また、この減少効果は、喘息治療薬として用いられるステロイド製剤と同程度の効果を認めた。現在、ステロイド耐性ILC2におけるNrf2活性化剤の効果を検討している。(3)野生型およびNrf2欠損マウスに対し、肺におけるアレルギー性炎症を誘導し、アレルギー治療薬としてNrf2活性化剤の治療効果を検討した。その結果、肺におけるILC2は、野生型でのみ著減した。さらに、ILC2によって誘導される好酸球数も減少し、アレルギー性炎症が抑制されていることが明らかとなった。現在、Nrf2活性化に伴うILC2減少機構の解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
Nrf2活性化によるILC2減少機構を解明する ステロイド耐性喘息におけるNrf2活性化剤の効果検討
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次年度使用額が生じた理由 |
Nrf2活性化によるILC2減少機構を明らかとし、本課題を達成するため。
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