本研究により、Xq27.3q28領域に欠失をもつ女性に対しては、その重症度の評価にはX染色体の不活性化状態を調べることが有効であることが示された。欠失をもつX染色体が偏って活性化している場合には、知的障害や運動発達遅滞の程度が重度になる可能性が考えられる。また、欠失領域を正確に同定することで、既存のHiCデータを活用したクロマチン高次構造(topologically associating domains, TADs)の変化予測が可能となる。TADsの変化により欠失領域周辺遺伝子の発現が変化する可能性があるため、TADsの変化を調べることも診断に有効であると考えられる。
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