研究課題
若手研究(B)
5歳時の極低出生体重児に対し、脳磁図、発達心理学的検査、頭部MRI解析の測定を実施した。対象は41例、被検者に音声もしくは非音声による刺激を与えた際に得られる脳磁図上の脳活動成分を検討した結果、在胎週数の早い児である程、P1m潜時が短くなることが判明した。またMRIの容量解析により、予定日前後でみられた白質容量低下が、5歳時では改善傾向を示していることが示唆された。以上の結果は脳の可塑性に矛盾しないものと考えられた。
新生児医学
これまで不明瞭な結果をもたらしてきた神経発達障害と極低出生体重児に関する生理学的研究に、多様性を数値化する手法を導入し、その関連性を明らかにすることができた。成人期の研究では、環境との不適応による二次障害でうつ状態になるなど、環境要因による表現型の変化がデータをゆがめてしまう可能性がある。我々は二次障害が生じる以前の幼児を対象とすることで、交絡因子を絞ったデータの蓄積を進めることができた。