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2017 年度 実施状況報告書

新生児慢性肺疾患に対する胎児付属物由来Muse細胞を用いた新治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K16298
研究機関神戸大学

研究代表者

山名 啓司  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80792936)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードMuse細胞 / 間葉系幹細胞 / ブレオマイシン誘発性肺障害モデル
研究実績の概要

新生児慢性肺疾患(Chronic Lung Disease、以下CLD)は、生後28日以降の酸素依存性により診断され、超低出生体重児の61.2%と高率に発症する。CLDは低酸素血症により脳性麻痺など神経学的発達に影響し、長期予後不良とされる難治性疾患である。CLDは早産児の未熟な肺に子宮内感染・炎症、生後の長期人工呼吸器管理による圧損傷・酸素毒性、肺の発達因子の欠乏など多くの因子が加わって発症する疾患である。CLDに対する治療は従来、抗炎症作用のステロイド治療、早期抜管による物理的障害の軽減など発症因子への単独的治療が主流であり、十分な効果が得られていない。現在、CLDに対する抜本的治療の開発は、超低出生体重児の生存率が向上した日本の新生児医療において最重要課題といえる。間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell、以下MSC)は、障害組織への遊走、抗炎症、抗酸化等の包括的作用を示すことから、CLDに対する有効な治療として期待されている。我々は、MSC の細胞集団全体の約1%存在する、Multilineage-differentiating Stress Enduring Cell(以下、Muse 細胞)のより幹細胞性の高さ、生着能の高さに着目し、臍帯から単離したMSCからSSEA-3+/CD105+ 細胞としてMuse 細胞を単離・同定し、CLDモデルラットに対する治療効果を比較検討し、CLDに対する有効な治療法の開発を目的とした。本年度の研究では、CLDモデルとしてブレオマイシン誘発性肺障害モデルを確立し、さらにモデルへの臍帯由来MSC投与、臍帯由来Muse細胞投与を行い、効果を評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、CLDに対する新治療法の開発を目的としている。これまでにブレオマイシン誘発性肺障害モデルを確立し、臍帯由来MSCの投与を行い、体重増加、組織学的スコアリングにおいて、効果があることを示した。また血清、および肺ホモジネートを用いてサイトカインの評価を行った。さらに臍帯由来MSCよりMuse細胞の単離・同定を行い、ブレオマイシン誘発性肺障害モデルへの投与実験を行い、効果を評価した。概ね期待通りに進行している。

今後の研究の推進方策

今後、臍帯由来MSCと臍帯由来Muse細胞を用いてブレオマイシン誘発性肺障害モデルに対する治療効果の比較検討を行う。またMSC,Muse細胞へGreen Fluorescent Protein(GFP)ラベルを行い、細胞投与後の肺組織を含めた臓器への生着を評価する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
昨年度は、一般試薬および培養試薬の使用料が当初の計画よりも若干下回ってしまった。
(使用計画)
今年度は、CLDの動物モデルのさらなる確立と臍帯由来Muse細胞の治療効果について評価に全力を注ぐ予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ブレオマイシン誘発肺障害モデルラットにおける臍帯由来間葉系幹細胞の効果2017

    • 著者名/発表者名
      山名啓司
    • 学会等名
      第16回日本再生医療学会総会

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公開日: 2018-12-17  

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