• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

自閉症スペクトラム障害の発症と新生児黄疸の関連性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K16299
研究機関神戸大学

研究代表者

前山 花織 (藤田花織)  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60767333)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードautism spectrum disorder / UGT1A1 / neonatal jaundice / developmental disorder / dried umbilical cord
研究実績の概要

自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスク因子は、周産期の異常、出生後早期の環境因子、500を超える遺伝子異常など、多数報告されているが、ASD発症における要因は未だ明らかになっていない。本研究では、新生児黄疸のASD発症における効果を検討することを目的として、新生児黄疸の発症に関与するUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子多型のうちUGT1A1*6、UGT1A1*27、UGT1A1*28に注目し、ASD児は一般集団よりもこれらの遺伝子多型の頻度が高いかどうかを検討するための後ろ向きコホート研究を開始した。ASD児のDNA採取の手段として、神戸市総合療育センター、神戸大学医学部附属病院、静岡県立こども病院、加古川市立こども療育センター、にこにこハウス医療福祉センター、神戸市西部療育センター、神戸市東部療育センターを受診しASDと診断された児の乾燥臍帯を回収し、DNAの抽出を行った。(神戸大学大学院医学研究科倫理委員会承認番号170002「乾燥臍帯を用いた発達障害のリスク因子に関する研究」で承認済)。ASDの発症リスクとして新生児黄疸が明らかになれば、新生児黄疸の適正管理によりASD発症の予防をすることが期待されるため、UGT1A1遺伝子多型の発生頻度をASD児の集団と日本人の一般頻度と比較し、ASDの発症に関与しているかどうかを検討した。
回収したDNAを解析した結果、UGT1A1*6、UGT1A1*28の遺伝子多型の頻度は日本人の一般頻度と変わりなく、UGT1A1*27に関しては遺伝子多型を認めた検体はなかった。これらの結果から、少なくともASDの発症に、新生児黄疸の発症リスクの一つであるUGT1A1遺伝子多型は関与していないことが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究協力機関である神戸市総合療育センター、神戸市東部療育センター、静岡県立こども病院発達小児科、神戸市西部療育センター、加古川市立こども療育センター、にこにこハウス医療福祉センターを受診したASD患者で、研究計画に同意があった児の乾燥臍帯サンプル計79検体を解析した。その結果、UGT1A1*6、UGT1A1*28の遺伝子多型の頻度は日本人の一般頻度と変わりなく、ASDの重症度とこれらの遺伝子多型の発生頻度とも相関を認めなかった。UGT1A1*27に関しては遺伝子多型を認めた検体はなかった。これらの結果から、少なくともASDの発症に、新生児黄疸の発症リスクの一つであるUGT1A1遺伝子多型は関与していないことが考えられた。
昨年度に出したこれらの結果を論文化し、本年度に投稿する予定である。

今後の研究の推進方策

今までに解析したデータを論文化し、投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な費用としてはほぼ使用した。
今年度は、論文投稿に際して必要な費用として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] NICU退院児における感覚特性,発達障害特性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      村尾 真理子,前山 花織,万代 ツルエ,堀之内 智子、冨岡 和美,福嶋 祥代、阿部 真也、大山 正平、藤岡 一路、野津 寛大、飯島 一誠、高木 康子,加藤 威,岡田 由香、溝渕 雅巳,北山 真次,永瀬 裕朗,森岡 一朗,高田 哲、西村 範行
    • 学会等名
      日本小児科学会学術集会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi