研究課題
胎児子宮内発育遅延(IUGR)はヒトの全妊娠の5~8%でを発症し、約半数でその病因は特定されていない。IUGR 児は新生児期より心血管合併症の危険性が高く、将来的にも生活習慣病(動脈硬化など)に罹患しやすい。これまで応募者らは母獣マウスの自然免疫系の活性化で胎仔の血管炎とIUGR を発症することを報告した。本研究ではヒト臨床検体(臍帯血、胎盤、臍帯)を用いて、母体自然免疫系の活性化と胎児IUGR と血管病変との関連を解明する。IUGR の新たな病因と疾患概念が確立される可能性があり、妊婦健診や児への早期介入によってIUGR 罹患の減少と児の長期予後の改善が期待される。研究初年度は、検体集積を目標としている。2018年度当院では約240例の早産児および病的新生児の入院があり、そのうち約40例がIUGRまたはSGA児であった。臍帯血または出生時の採血の余剰分を遠心分離にて血清を分離し、-30℃にて保存している。また、対照となる児の入院時保存血清も冷凍保存している。
2: おおむね順調に進展している
2017年度と208年度の主な目標は検体集積としている。おおむね順調に、ほぼ予定通りの入院数であった。2018年度は測定方法の検討、条件設定も予定していたが、こちらに関してはまだ決定しておらず、2019年度中に決定し、測定を行う予定である。
今後保存した血清を用いて、ELISA法またはCBA法にてサイトカイン・ケモカインを測定する。対照と比較する。
2019年度に測定を行うため
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
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