甲状腺ホルモンは脳発達に重要な調節因子の一つであり、胎児の発育中、甲状腺ホルモン低下状態に曝されると不可逆的な神経発達障害が生じることが知られている。妊娠初期の胎児は母親由来の甲状腺ホルモンのみを利用するが、妊娠後期では胎児が産生する甲状腺ホルモンが重要となる。本研究では、甲状腺ホルモン低下状態の胎児でアポトーシス陽性細胞の増加が脳内で認められた。BAG3はアポトーシス誘導因子であるBakと相互作用することで、細胞保護をおこなっている。、甲状腺ホルモン低下状態の胎児における神経発達障害においてBAG3が治療の標的となることが示唆された。
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