周産期脳障害の頻度は出生1000人に対して2-3人程度と一定で減少していない。周産期脳障害は、成熟児の低酸素虚血性脳障害と早産に伴う脳障害の2種類に大別される。実験的検討においても、成熟児の低酸素性虚血性脳障害モデルを用いた検討が中心であり、早産脳障害モデルを用いた検討は少ない。本研究にて、我々は早産脳障害モデル動物で間葉系幹細胞の1つである羊水幹細胞が、早産脳障害モデル動物に対する治療効果を有することを見出した。 さらに、羊水幹細胞を調整することで抗炎症性サイトカイン分泌や成長因子発現が増加したことから、この幹細胞は投与前に事前調整を行うことで治療効果が増強する可能性があると考える。
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