胎児発育不全(FGR)の妊婦におけるPIBFの母体血液、胎盤での局在を正常妊婦と比較した。母体血液は12例にウエスタンブロットを施行し、Bandの染色濃度を測定したところ、FGRで低下している傾向を示した。胎盤は免疫染色を26例で施行し、血管壁と脱落膜が染色され、Image J で染色濃度を測定したところ、胎盤内の血管壁はFGRで低下していた。脱落膜はほぼ同じ濃度であった。受精卵が子宮内腔に着床するときに発現するPIBFには差がない可能性がある。胎盤や母体血液のPIBFが低下していることから、母体-胎盤循環のPIBFは低下しており、サイトカインバランスに影響を及ぼしている可能性がある。
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