研究課題/領域番号 |
17K16316
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター (2019) 三重大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
三好 剛一 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臨床研究センター, 上級専門職 (70626697)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胎児心不全 / 胎児心疾患 / 胎児治療 / 小動物用超音波高解像度イメージングシステム / PDE5阻害剤 / マウス |
研究成果の概要 |
小動物用超音波高解像度イメージングシステムを用いて、Hey2ホモ接合型欠損マウスを胎生期から経時的に観察することにより、胎児心不全モデルマウスとして応用が可能であることが示された。 同マウスを用いて、PDE5阻害剤の経胎盤的投与による胎仔胎盤循環への効果を検討した。PDE5阻害剤の低用量群において、胎仔左室駆出率の改善効果が確認された。この効果は、胎仔胎盤循環及び胎仔心臓の容量負荷の変化を介しておらず、胎仔心筋あるいはサルコメア構造へのPDE5阻害剤の直接作用が示唆された。胎児心不全に対する治療法の開発につながる新しい知見と考えられた。
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自由記述の分野 |
胎児循環器学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小動物用超音波高解像度イメージングシステムを応用し、従来困難であったマウス胎仔心臓の機能的評価をリアルタイムに行なうことで、Hey2ホモ接合型欠損マウスが胎児心不全モデルマウスになりうることを初めて示した。本実験系は、様々な遺伝子改変マウスの胎仔心機能や循環動態の観察などに広く応用できると考えられる。 さらに、本実験系を用いて、PDE5阻害剤が胎児心不全に対する新規治療法となりうることを初めて示した。胎仔心臓に対するPDE5阻害剤の作用機序や最適な投与量については更なる検討が必要であるが、胎児水腫への進行を抑制し、在胎期間を延長させることで、胎児心疾患の予後改善に寄与すると考えている。
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