ヒト脂肪組織に存在するSSEA-3陽性細胞数はドナーの年齢が高いほど低下する傾向があった。一方、ドナーの年齢によらずMuse細胞は、3胚葉の細胞へと分化誘導することができ、さらに、色素細胞へと分化誘導することができた。以上より、年齢によらずMuse細胞は多能性と分化能を持っており、また色素細胞への分化誘導が可能であることわかった。 また、Muse細胞が色素細胞へと分化誘導する過程での遺伝子発現を調べた。Muse細胞は誘導初期に多能性マーカーを発現し、2週目から神経堤細胞マーカーを発現した。メラノブラストのマーカーは分化誘導後5週目から認め、成熟色素細胞のマーカーは中期から後期に発現を確認した。
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