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2017 年度 実施状況報告書

色素産生細胞におけるプロレニン受容体の発現と生理機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16320
研究機関東北大学

研究代表者

大場 浩史  東北大学, 医学系研究科, 助教 (70726710)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード色素産生細胞 / プロレニン受容体 / MITF
研究実績の概要

(1)ヒトおよびマウス組織におけるプロレニン受容体(PRR)の発現の解析
ヒト正常皮膚とメラノーマ組織におけるPRRとMITFの発現を免疫組織化学的に検討した。正常皮膚においてPRRは、基底層・有棘層・顆粒層にかけてPRR陽性所見が得られた。メラノサイトが存在する、基底層でPRRの発現が確認できたが、PRRとMITF陽性細胞の正確な相同性を確認することは困難であった。一方、ヒトメラノーマ組織では18症例中10症例でPRRとMITFが共発現していた。さらに、マウス皮膚組織の毛根部と眼球組織を対象として、PRRとMITFの発現の解析を行った。毛根部では、PRR・MITF・ドーパクロームトートメラーゼの染色領域に相同性が見られた。また、マウス眼球では、網膜色素上皮細胞・脈絡膜メラノサイト・毛様体色素細胞においてもMITFとPRRが共発現している可能性を示唆する所見が得られた。
(2)培養細胞を用いたPRRの生理機能の解析
複数の色素産生細胞(網膜色素上皮細胞・メラノサイト・メラノーマ由来培養細胞)からタンパクを抽出し、ウエスタンブロット法でPRRとMITFの発現を検討した。その結果、検討を行ったすべての細胞でPRRとMITFが共発現していることを確認することができた。網膜色素上皮細胞由来のARPE-19とメラノーマ由来のHMVIIを対象として、siRNAを用いてPRRの発現を抑制し、細胞増殖への影響をWST-8アッセイで、MITFとメラニン産生に関与するチロシナーゼの発現への影響をウエスタンブロット法で解析した。その結果、PRRの発現を抑制することによって、細胞増殖が有意に抑制され、MITFとチロシナーゼのタンパク発現が低下した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

組織および培養細胞を用いた実験から、プロレニン受容体とMITFが同一の細胞内で共発現していることが明らかにすることができた。培養細胞を用いた実験から、PRRが複数の色素産生細胞に発現していることを明らかにすることができ、さらにMITFと共発現していることを確認することができた。さらに、siRNAを用いた実験から色素産生細胞におけるPRRの機能の一端を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

(1)ヒトメラノーマ組織においてプロレニン受容体とMITFの共発現が確認され、培養細胞の実験によって増殖や転移との関連が示唆されたことから、メラノーマの症例数を増やして臨床病理学的因子やMITFとの発現との関わりについて統計学的に明らかにしていく。
(2)プロレニン受容体を介したMITFの発現制御機構を明らかにするため、プロレニン受容体をsiRNAによる発現抑制させた条件、あるいは、強制発現させた条件で、MITFの発現制御に関わるMAPKシグナルやWntシグナルとの関わりを明らかにしていく。
(3)Mitf-Mに変異を有するbwマウスを用いて、プロレニン受容体の機能を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

消耗品として購入を計画していた抗体の作製期間が延びてしまい年度を超えてしまったため、次年度使用額が発生した。次年度に、購入を計画していた抗体の購入費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] (Pro)renin receptor in melanoma2017

    • 著者名/発表者名
      Koji Ohba, Tamio Suzuki, Kazuhisa Takeda, Shigeki Shibahara and Kazuhiro Takahashi.
    • 学会等名
      第76回日本癌学会学術総会

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公開日: 2018-12-17  

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