研究実績の概要 |
日本紅斑熱の対象患者で初診時と回復期の血清を用いて各種サイトカイン(IFN-γ,IL-1β,TNF-α,IL-2,TNF-β,IL-8,IL-6,GM-CSF,TSLP,IL-4,IL-5,IL-9,IL-10,IL-33,IL-12p70,IL-17A,IL-22,IL-17F)をAimPlex用いて測定した。急性期と回復期のWBC,好酸球の推移とも比較した。 A)白血球と好酸球の関係:全例白血球数は急性期が回復期の方が高かった。しかし急性期に正常範囲を超えた症例は1例のみであった。急性期は6/7例が好酸球をカウントできず、カウントできた症例1においても0.2%と極めて少数であった。回復期では正常範囲内に回復していた。 B)炎症性サイトカインの関係:全症例においてIFN-γ、IL-6は急性期から回復期に向かい急激に減少を認めた。IL-12p70は症例1~3の経過を見ると7病日に上昇し、14病日の回復期には優位に低下した。TNF-α、IL-2は症例3を除いて急性期に上昇していたが、回復期には低下していた。IL-1β、IL-8、IL-10,TNF-βは有意差を認めなかった。 C)IL-4系サイトカインの関係:GM-CSF,TSLP,Il-4,IL-5,IL-9,Il-33値の経過より症例1~3の経過を見ると7病日に上昇し、14病日の回復期にはほぼ急性期と同程度の値となった。ゆえに症例4~7もこれらのサイトカインの急性期と回復期の値も有意差はなかった。 D)IL-17系の関係:IL-4系サイトカインと似たような推移をしめした。測定しIL-22,IL-17A,IL-17F値の経過を症例1~3の経過から見ると7病日に上昇し14病日の回復期には急性期とほぼ同等の値となった。R.japonica感染においてはTh2系ではなくIL-6、IFN-γが感染防御に極めて重要なサイトカインとなっている。
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