進化の過程において、体温上昇を防ぐためのヒト特有のツールとして汗腺を有し発汗機能を手に入れた。そのため汗腺は進化的に未熟な器官であり、生活環境において発汗機能は変化しやすく温暖化による熱中症や、ストレスにより発汗障害が起こり多汗によるQOLの低下などを引き起こす。発汗異常の原因究明、また治療法の確立を目指し、汗腺の発汗機構を解明する。今回、汗腺の発汗時の動きの観察法を確立し、その動きを明らかにした。汗腺は汗を生成して排出するだけでなく、自ら収縮することによって効率よく汗を分泌していることが示唆された。これら知見の積み重ねが、汗腺の機能障害の改善、熱中症の治療法確立につながる。
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